風と緑と散歩道

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見応え抜群!! 新多摩変電所ウォーク。

変電所ウォーキング 500kv変電所シリーズ。今回は新多摩変電所です。新多摩変電所は八王子の奥地にあります。ちなみに新古河変電所、新所沢変電所など地名の前に“新”とつく変電所は500kvを扱う重要な変電所と考えるといいとおもいます。

都内に存在する500kv変電所として新豊洲変電所もありますが、それができるまではこの変電所だけでした。

新多摩変電所は非常にアクセスの悪い場所にあります。車やバスを使っても八王子市街からは遠く、武蔵五日市駅からも割と離れています。

無論私はウォーキングで行ったのですが、八王子駅前から甲州街道を通り、秋川街道を通る最短ルートでも凡そ3時間。往復で6時間近くかかります。しかし道順は単純で八王子市街から小峰トンネル手前の脇道に入りしばらく進むと到着します。普段から長距離ウォークに慣れているのでさほど苦にはなりませんでしたが。

で、ここが新多摩変電所です。まわりは森と山に囲まれすぐ裏は登山道となっています。森や山に囲まれている丘の上にあるので変電所設備や鉄塔、紅白の電波塔も離れた位置からは分かりにくいです。

近くに川も流れており、鳥の声も聞こえかなり自然豊かな立地にあります。若干登山気分でくるといいと思います。

この変電所の特徴としては変電所の周りを見学出来ること。さらに山の上からも変電所施設を眺めることが出来ること。そして500kvを扱う開閉器などがGIS(ガス絶縁開閉装置)ではなく非常に巨大な一般的な断路器と遮断器が扱われている点です。

変電所を容易に見学できる点としてはかなり楽しい場所で、歩いていく価値もありかなと。もちろんハイキングやデートでよってもいいのよ。

周りから変電所を見てみよう

最初に500kv系の送電線を見てみます。こちらは南側の手前に建っている新多摩線(写真奥)です。神奈川県の新秦野変電所と結ばれている2回線です。その隣(写真手前)の送電線は同じく500kvの新秩父線の1回線です。鉄塔は山の上に建っています。

変電所内の門型鉄構と接続します。回線の導体数や碍子も非常にビッグな事が確認できます。

その隣、少し離れた場所に新秩父線のもう1回線の鉄塔が建っています。ここでさきほどの離れた回線と結合して2回線鉄塔になります。新秩父開閉所まで結びます。

西側へ回ってみましょう。変電所北側では500kvの新所沢線鉄塔が接続します。こちらも鉄塔は山の上に立っております。ようするに山の囲まれる変電所というのが分かると思います。新所沢変電所まで結び、新飯能変電所にも接続します。

さて、この変電所の500kv部分はGISでなく露出式の設備で構成されています。見て分かるとおり、計器用変成器と断路器は非常にダイナミックかつ太い構造になっています。

こちらは遮断器です。母線も4導体で太く、碍子も巨大なことが分かります。変圧器からは遠く離れていますが、変圧器の音がここまで響いていました。

巨大な断路器等の設備が奥までずーーっと続く光景は何度身見ても興奮しますね。さすがに超高電圧なため母線や碍子から「ジリジリジリ…」という音が漏れています。

先ほどのタイプとは異なる物ですが、大きなブッシングで構成されているこちらも遮断器です。

鉄構群の外、北側にはたくさんの調相系設備が並んでいます。変圧器も確認できます。この大きさを見ると鉄構や断路器等が非常に巨大で高いのが見て取れます。

丘から変電所を見てみよう

この変電所の周りは登山コースとなっており、周囲も緑道になっています。通常は関係者しか入れないような道なのですがこの変電所は特別です、いや格別です。

変電所の大きな特徴、山の上から変電所の全景を見られる場所に移動します。鉄構や断路器、遮断器などがたくさん並んでいる様子が見学できます。わざわざ眺めるのは私くらいなんでしょうけれど。

東側からも調相設備と変圧器がたくさん並んでいるのが分かります。取り扱う電圧が高い分、必然的に設備も壮大になるのでしょう。

さきほどまでは500kvの鉄塔と送電線でしたが、この変電所で扱うもう1つに275kv系の架空送電線もあります。その二次側引き出し部分がこちらです。

写真奥が275kvの青梅線で、新飯能変電所を介しかつて青梅変電所・豊岡変電所まで接続されていた物です。現在、ここからの青梅線は廃止され、新飯能変電所からの送電のみとなっていますが現在でも鉄塔と送電線は残っていました。手前が275kvの東京西線で南多摩変電所J-POWER西東京変電所まで接続します。

東京西線は青梅線に併架されます…が、鉄塔の名義は東京西線です。本来は上の回線名がその鉄塔の名称となるのですけどね。実際ここの青梅線は現在廃止されているので間違ってはいませんが…。

275kvの引き出し部分はGISが採用され、計器用変成器も見えます。さきほどの500kvを扱っていた鉄構と比較するとこの門型鉄塔と計器用変成器は非常に小さく見えます。というかあっちがデカ過ぎるンだ…。

せっかくなのでと275kv級の鉄塔と送電線を巡ろうと思ったのですが、マムシが出るそうなのでやめました…まだ冬眠しているかもしれませんが…。また、裏はすぐ山で足場も悪いので散策するときは注意が必要です。

また山中の道には鉄塔の案内があります。おそらく電力会社や保守員のための順路の案内でしょうが、まるで登山道の案内みたいです。

以上で新多摩変電所の訪問は終了です。ここまで来たのなら東京西線や青梅線を追跡したかったのですが、トレッキングシューズじゃないし暗くなると遭難しそうなんで夕方前に八王子市街まで再びウォークで戻りました。

八王子駅から甲州街道を歩いて東京へ戻ることにはすっかり暗くなりました。月明かりに照らされるさきほどの東京西線鉄塔です。南多摩変電所より接続される66kvの由木線と府中線を併架しています。

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