風と緑と散歩道

晴れた日は出かけよう 見知らぬ この道、あの森へ…

鉄塔ストーキングも楽ではない。

このブログは健康のためのウォーキングやジョギングのススメから、自分のウォーキング記録を残すために始めたブログです。

しかし、単純なウォーキングをするだけでなく、何か目的と目標を作ろうと考え出したのが鉄塔ウォークでした。それは単純に鉄塔に着いて行ってどこまでいけるか、その先がどうなっているのか確かめてみる…というものです。ただ闇雲に歩き回るよりも、何か目標を作ってそれを達成するために歩くという方が面白いし、何より励みにもなります。

ここで言う鉄塔というのは、写真のような鉄塔とそれを結ぶ架空送電線の事を指します。その鉄塔がはたしてどこから来てどこに行くのか…?

始まりは北多摩線

わたしが最初鉄塔巡りに選んだのは、当時すんでた吉祥寺の近くに立っていた鉄塔 北多摩線を追いかけるというモノでした。JR 中央線の線路からも見え、吉祥寺駅と西荻窪駅の間をくぐる送電線です。

鉄塔巡りを理解するには、銀林みのる氏の小説 鉄塔 武蔵野線というのが内容的にもイメージ的にも非常にわかりやすいです。

わたしの場合、鉄塔 北多摩線が鉄塔ストーキングの馴れ初めでした。住宅街や街道、線路、小川などを越えて北多摩線を追いかけていくとその終着点は西東京市と練馬区、埼玉県新座市の境にある武蔵野変電所というところに到着しました。そこにはまたたくさんの鉄塔と送電線があり、ゴールではなく新たなスタート地点なのでした。

1号鉄塔を目指して…

実は鉄塔には番号がついており、それを1つずつたどっていく…という単純な作業になります。簡単に言えば、1号鉄塔がその鉄塔のスタート地点というわけです。1号鉄塔がある場所は発電所や変電所だったり、或いは地中送電線(地下に潜った送電線)から電線を引き上げていたり、別の送電線の鉄塔から分岐した送電線だったり…など鉄塔によって異なるというのも、おもしろさの一つであったりします。

1号鉄塔をたどっていくうちに規模が大きくなる

送電線というのは発電所で作られた電気を家や工場に運ぶためのいわば電気の通り道です。変電所では電気の強さを変えたり、電気の通り道を変えたり、電気をあらゆる方向に分けたりする交差点のような場所です。発電所はその名の通り電気を作る場所で、そこで作られた電気は運びやすいように電圧が高くされ、送電線と変電所を介して徐々に電圧を下げていき、いずれは街中にある電柱に繋がり、家庭や工場になどに引き込まれ、最後は壁にあるコンセントにまでやってきます。

つまり電気のスタート地点を求めていけば電圧や規模も巨大になり、いずれ発電所に到着します。規模が大きくなり鉄塔も大きくなっていくというわけです。

こちらは50万ボルトという大きな電圧を扱う変電所です。50万ボルトの電圧を27万5千ボルトに下げて、その先の変電所で15万4千ボルトに下げ、6万6千ボルトに下げ…最終的には電柱のトランス(変圧器)で家庭用100ボルトという小さな電圧にまで落とします。

送電線をたどるには障害が多い

送電線は空の上をかけるように繋がるのですが、人間の足ではそうはいきません。

鉄塔を巡るには道を通らなくてはいけません。ですが鉄塔と鉄塔の間には建物が有り、森があり、畑が有り、川が有り、道路が有り…と人にとっては障害物が多いのです。住宅街などでは目と鼻の先にある鉄塔を目指したいけれど、その場所までなかなかたどり着けない…なんてこともしばしば。

次の鉄塔まで直線でいければ5分もかからないのに、大きな川が隔てていたりすると橋を渡るために迂回する必要があります。結果として次にたどり着くまでものすごく時間がかかったりします。鉄塔が工場や学校、或いは森や畑の中など人が立ち入れない場所に立っていることもあるので、すべての鉄塔を巡るのはたやすいことではありません。

鉄塔を追いかけてどんどん進んでいくと山越えすることも…!?

枝番鉄塔がウザい

鉄塔の番号は基本的に「1号」、「2号」…と1個ずつ数字が上がる(下がる)のですが中には「1-1号」、「1-2号」と枝番に分かれた鉄塔があります。何故こういう鉄塔があるのかというと、たとえば鉄塔と鉄塔の間に建物が出来たり、何か事情があって鉄塔が立てられ増えた場合、新たに番号を振らなければなりません。そうすると以降の鉄塔のナンバリングも振り直す必要があるので非常にやっかいです。

しかし新たな鉄塔を枝番にすることで以降の番号を割り振らずともその部分だけ変えれば良いので効率的です。

ただ、鉄塔巡りをする場合は単純に鉄塔の数が増えていることになるので、ゴールにたどり着くまで無駄な足を運ぶのになるのです。ちなみに小説 鉄塔 武蔵野線では「のいち鉄塔」と呼んでいます。(1-1号 = 1の1号 = いちのいち = のいち)

帰り道のことも考慮しないと…

調子に乗ってどんどん鉄塔を追いかけていくと、いずれは日が暮れ夜になってしまいます。

送電線によっては人里離れた山の中や森の中にあることもあるので、迷子になって帰れない、近くに道路や駅がない…なんて場所もあったり。そうならないためにも帰りのことも考えなければなりません。小説 鉄塔 武蔵野線でも帰れなくなり鉄塔の下で野宿するというエピソードもありますが…現実的ではないでしょう。

帰り道が分からなくとも今は携帯GPSがあるし、仮に無くても今まで来た鉄塔を巡って戻ればいずれ最初来たところに帰れます。

作品ではこんな台詞があります。

「鉄塔は地図と同じなんだ」

鉄塔の旅は終わらない

♪ヘッドラ〜イト テールラ〜イト 旅は〜まだ おわら〜ない〜〜。

鉄塔にはいろいろな大きさがあり、様々な形の鉄塔もあり、いろいろな種類があります。そういうのも鉄塔巡りの楽しみの一つです。この話はまたいずれ。

とっぴんぱらりのぷぅ。

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