風と緑と散歩道

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狭山・境緑道を巡る その2 – 遊歩道沿いの施設を見てみる。

続きです。今回は多摩湖から帰るついでに簡単に近隣の水系施設を見てみたいと思います。そもそもこの多摩湖・村山貯水池というのは多摩川から取り入れた水と雨雪による水をためておくダム湖です。

多摩川の小作取水堰、羽村取水堰などから取水した水をここで貯水し都内の浄水所、給水所に送り出します。そもそも、この多摩湖自転車道(狭山・境緑道)というのは村山貯水池の水を送る水道道路なのです。

こちらは多摩川から水を取り入れ、分水する羽村取水堰と羽村取水所です。

ここでは玉川上水の分流地点となります。多摩川の水を羽村取水堰で引き込んだ水を多摩湖(村山貯水池)で貯め浄水所できれいにした後に都内へ送り出します。これらの水系施設は都内の人口増加に伴って整備されました。とはいえ都内で扱うすべての水を多摩川と多摩湖で賄っているわけではなく、実際は利根川・荒川からも取り入れています。

割合的には利根川・荒川水系が80%、多摩川水系が20%程度となっています。

風景が美しい多摩湖は「ダム湖百選 多摩湖」に選ばれています。まぁ狭山湖や奥多摩湖とかも選ばれてるんですけどね…。

多摩湖脇の施設は東京都水道局 村山貯水池管理所となっています。

そして多摩湖と狭山公園入口のすぐそばには洪水吐の門があります。ここから貯水池の水を水路に排水します。わかりやすくバルブがあります。

その水門の下は余水吐とよばれる導水路になっております。滝のように水が流れる傾斜になっており、わたしが見に行ったときもちょろちょろと水がパイプから流れ出ていました。

では、再び境緑道を歩いて帰りましょう。

狭山公園を出て坂を下るとおもしろいものが見られます。先ほどの貯水池の水を送り出す導水路の水門トンネルです。これは水門として機能はしておらずあくまでも水門を再現したモニュメントです。

その手前は水門から流れ出た水を通す水路と、その上を通る橋を再現した跡が残っております。いまはもちろん水は流れませんが当時はどういう様子だったのだろう…と考えるとおもしろいものがあります。

では公園を抜け出し西東京市へと戻ります。帰り道は行くときには気がつかなかった、見えなかった物や発見がありますよね。

多摩湖自転車道の途中、空堀川と新青梅街道を交差するあたりにあるのが東村山浄水所です。都内に供給する水のほとんどを扱っており、かなり重要な施設です。また水も電気や交通と同じでネットワークを担っており、ここから朝霞や三郷の方への配水も可能となっています。

さきほどの多摩湖をはじめ、狭山湖、玉川上水・荒川・利根川そして朝霞浄水場とも結ばれておりかなり巨大な浄水施設となっており、貯水湖などは新青梅街道と空堀川沿いの遊歩道から見学することができます。

この施設の脇には鉄塔 東大和線が建っており浄水所内に電気を供給しています。引き下ろした下は断路器と遮断器になっており直結した変電設備となっています。先を急ぎます。

その先にある府中街道の交差する西武線 八坂駅の線路の下で野火止用水と交差します。野火止用水は多摩川から分かれた玉川上水の支流です。

多摩湖自転車道を歩いていると至る所に[水]と掘られた石碑があります。

緑道をどんどんと南下し、花小金井駅を過ぎた小金井公園の近くまで来ると今度は芝生の上で石神井川と交差します。

そのまま進んでいくと先ほどスタート地点だった多摩湖自転車道の起点(終点)の関前交差点に到着。ここにも同じく水と掘られた水門の石碑が確認できます。

さて、多摩湖自転車道から伸びるように走る道路は、関前と渋谷を結ぶ井の頭通りです。都心部へのアクセスに便利な主要道路でありながら、水道道路ともよばれ道路の下には水道管が通ります。交差するのは五日市街道と、その真ん中を通る川は千川上水です。

井の頭通りを入るとすぐに境浄水場があります。境浄水場は先ほどの多摩湖と狭山湖の水を水源とした浄水所で、東京23区の主要地域に水を送り出す施設です。境浄水場の正門は武蔵境通りにあります。

この境浄水場は東京の武蔵野市にあるのですが、武蔵野市は独自で水源を確保しており実は東京都水道局の管轄ではありません。したがって境浄水場の水は武蔵野市には基本的には供給されません。武蔵野市のほか、檜原村、羽村市、昭島市などは東京水道局の管轄ではなく市や村で水道を確保しています。

浄水場の脇には先に記した多摩川の羽村取水堰から分流した玉川上水が流れます。玉川上水贈位はずっと緑道になっており散歩にぴったりです。このまま緑道を進むと三鷹駅や井の頭公園(三鷹の森ジブリ美術館)へアクセスできます。

井の頭通りは普通の車道であり水道道路といわれないと気がつきません。ただ、途中京王井の頭線の永福町の近くで荒川水道と交差します。そして永福町と甲州街道の中間のあたりまで来るとでかいタンクが現れます。

こちらは東京都水道局の和泉給水所です。和泉給水所から淀橋浄水所まで結ぶ玉川上水新水路とよばれる水路の跡地にできた水道道路・都道431号線の起点の手前に建っています。この道路に関してはいずれ日記に書きます。

和泉給水所を過ぎると井の頭通りは甲州街道とその上を通る首都高の広い道と交差します。街道を渡っていくと京王線の踏切と交差し、その先にあるのが今回のゴールである東京都水道局の和田堀給水所です。多摩湖・村山浄水所と境浄水場から井の頭通りを通じて結ばれているこの和田堀給水所。この施設から世田谷区、渋谷区、目黒区、港区に配水しています。

井の頭通りはこの給水所を迂回するようにして通り、環七通りと交差して渋谷へ向かいます。

この給水所は外からも見学できます。コンクリートで囲まれ典型の配水池や芝の上に立った神殿風の屋舎などレトロを感じる給水所になっています。私が見に行ったときは工事をしており作業車や作業する業者の人がぞろぞろと出入りをしていました。今もなお老朽化における工事が着々と進んでいます。

この給水所東側、迂回した井の頭通りを挟んで建っているのが鉄塔 駒沢線で美化鉄塔となっています。駒沢線に併架されているのが代田線なのですがここで引き下ろされています。向かいの和泉給水所の施設内の脇に変圧器やキュービクルなどがあるのでおそらくここに電気を供給しているのではないかと思います。

とりま多摩湖ウォークはここでいったん終了。今回は水道道路として扱われている多摩湖自転車道(狭山・境緑道)を通って多摩湖を外周した後、ふたたび多摩湖自転車道、井の頭通りをウォーク。そのついでに関連する水系施設も見学してきました。道路には様々な歴史とちゃんと意味がある…ってことを再認識できました。

多摩湖自転車道はジョギングやウォーキングにも最適な緑道なので是非寄ってみてくださいね。ほんならね〜!

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